林 葵衣 個展
「詩の復唱 / Echo of verse 」
2019.6/8(土)-6/16(日)
12:00-18:00 月曜休
DM design : Arata Hirano (typoesie)
photo:YukiI Moriya
口遊みは、歌うより細やかで、体内の記憶が声を通して流れ出すような感触がある。
古語を引用した歌が偶然ラジオから流れたとき、聴き慣れない音韻や発音が耳に残り関心を持った。古語を復唱してみると、使い慣れたはずの日本語ではない響きが新鮮だった。
制約のもとに韻文を作ろうとする遊びは、平仮名50音網羅和歌「いろは歌」「あめつちの詞」「たゐに(たいに)」を代表として、現代ではラップやフリースタイルが盛んである。
様々な形式で受け継がれる古語や現代詩を口遊む。
時間旅行をするように。
KUNST ARZT では、2年ぶりとなる
林葵衣の2度目の個展を開催します。
林葵衣は、“唇拓”を通して、音の可視化のみならず、
発音する内容と自身との関係性を考察するアーティストです。
声を出しながら口をキャンバスにあて、
口紅の痕跡をタブロー化する“唇拓”は、
その接地面を移動していく必要があります。
「いろは歌(2019)」では、縦方向に、
ゆったりと間隔をとって移動した痕跡が写され、
そこには文化的な側面も映し出されています。
ご注目頂ければ幸いです。
(KUNSTARZT 岡本光博)